ストレスと上手につきあうには

ストレスと上手につきあうには

皆さんが学生生活を送る上で、日々様々なストレスを感じていることと思います。勉強や単位のこと、進級や進路のこと、友達や家族のこと、健康面や経済面などなど。

 

人の心身に影響を及ぼす刺激(ストレッサー)には、気温や騒音といった物理的なものや、ウイルス、細菌など生物的なもの、災害や社会体制の変化から対人関係、入学や引っ越しなどのライフイベントなどもあります。

ストレッサーに対する反応をストレス(反応)とよんでいますが、これには
 心理面:不安、落ち込み、イライラ、意欲・集中力の低下
 身体面:不眠、疲労、頭痛、肩こり、食欲不振
 行動面:飲酒量の増加、過食、遅刻や欠席の増加、ミスの増加
などがあります。

ストレス反応は「今までと違う環境に適応しようとして生じるシグナル」とも言えるので、進学や結婚などの「おめでたいこと」に対しても生じます。周りが喜んでくれているのに、当の自分がふさぎこんでいることで自分を責めてしまう人もいるようですが、新しい環境を前にしての自然な反応ともいえます。

 

ストレスに対処することを「ストレスコーピング」といいますが、これには
 問題焦点型:  ストレスの原因に向き合い、解決しようとするもの
 感情焦点型:  自分の感情に焦点を当て、怒りや悲しみ、不満などを表出するもの
 認知再評価型: ストレスの原因に対する見方を変えたり、距離を置いたりするもの
 社会支援要請型:周りの人にアドバイスを求めたり、話したりするもの
などがあります。

人によって、またストレス状況によってもコーピングは異なってきます。
「とにかく問題解決すべく、情報集めする」という人もいれば「まず人に話す」とか「とりあえずその辺を走ってから考える」という人もいるでしょう。ストレス対処法はたくさん持っていると、状況にあわせて選ぶことができるので、少しずつレパートリーを増やしていけると良いですね。

 

ストレス対処について、「3つのR」というものをご紹介します。

1.Rest: 休息、休養、睡眠

2.Recreation: 運動や趣味、気晴らし

3.Relax: ストレッチや瞑想、音楽など

ストレッサーを受けると心身が緊張状態になりその緊張がさらに不安を引き起こすこともあるので、リラクゼーションで筋肉の緊張をやわらげるとこのスパイラルを断つことができます。

 

また、「3つのT」というものもあります。

1.Talk: 話すこと

 つらい時、大変な時は信頼できる人に話すことも大切です。自分の心をいっぱいに占領している不安や悩みを人に話すと、自分の心に自由なスペースが戻ってきます。また人は、自分が大変なことを知ってくれている存在がいるとき、より自分の力を発揮することが出来るとも言われています。

2.Tears: 泣くこと

 泣くことで、涙と一緒にストレス物質が排出されるともいわれ、泣くことは笑うことと同じく人に与えられた大切な働きと考えられます。あえて悲しい本や映画を見て泣くことですっきりする「涙活」というのもあるそうです。つらいときは我慢しすぎず、安全な場で泣くことも大事なストレス対処法といえそうです。

3.Time: 待つこと

 さまざまな対処法を用いても状況が変わらないときは、時を信じて待ってみることも一つの対処法です。「ときぐすり」という言葉もありますが、同じことでも時が変わると違って見えたり、周囲の状況が変化して自然と良くなっていくこともあります。

 

ストレスは「無い方が良いもの」と考えられがちですが、それまでと違う対処を迫られるからこそ今まで気づかなかった自分の能力を発揮できたり、自分を支えてくれる周囲の人の存在に改めて気付けたりするという面もあります。

でも、ひとりで対処することが難しい場合は、学生相談室の利用も対処法のレパートリーとして取り入れてみてください。学生相談室では皆さんがストレスと上手に付き合いながら学生生活を送っていけるよう、サポートしていきたいと思っています。

(学生相談室 カウンセラー M.G)